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【アクセシビリティ向上】外部パートナーに株式会社ディーゼロを迎えることになりました
こんにちは!アクセシビリティエンジニアの山田です。
この度ノベルティは、株式会社ディーゼロにアクセシビリティ支援をしていただくことになりました!
主な内容は、アクセシビリティ研修とアドバイザリー支援です。
研修は、ディーゼロのゆうてんさんによる熱く深い知識の伝授。あまりの知識量に圧倒されましたが、研修を受けることで社内のアクセシビリティ熱がぐーっと上がった気がしています。
少なくとも、「これ、あの研修で言ってたよね!」の魔法を使えるようになりました。
今回は、ディーゼロさんのアクセシビリティ支援を経た、山田の感想をお伝えします!
はじまり
そもそも、「え、なんでいきなり?ノベルティとディーゼロって繋がりあったっけ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ことの発端は、2024年11月のアクセシビリティカンファレンス福岡前夜祭での、ゆうてんさんと弊社代表酒井の会話がきっかけです。
ゆうてんさん「制作会社向けにアクセシビリティ向上の支援なんかもしているんですよ。」
酒井「え、そうなんですね!じゃあお願いします!」
完
恐るべき決断力。1分で決まってしまいました。
アクセシビリティに取り組むのって、結構勇気が要ります。
イベントでも、「アクセシビリティになかなか取り組めなくて」「私一人だけで取り組んでいるんです」との声が多いです。興味があって取り組みたくても、社内に啓蒙することの難しさってありますよね。
ノベルティでは、そんなことはありません。むしろ、「みんなでアクセシビリティに取り組もう!」という雰囲気です。
1分で動く社長の決断力が物語っていますね!
ということで今回、ディーゼロさんにアクセシビリティ研修とアドバイザリー支援をしていただくことになりました!
平尾 ゆうてんさん
本名:平尾 優典(ひらお ゆうすけ)
株式会社ディーゼロ
執行役員 / フロントエンドテックリード / ウェブアクセシビリティスペシャリスト
アクセシビリティをベースに情報設計・広義のデザインから、実装、テスト、運用までのアドバイスやレビューを中心としたコンサルティングを行っている。また、社内では品質の管理やガイドラインの整備など「仕組み」による改善に取り組んでいる。HTMLリンター「Markuplint」の開発者。HTMLのプロ。
アクセシビリティ研修

ディーゼロのゆうてんさんによるアクセシビリティ研修は、全4回にわたって開催されました。
カリキュラムの内容はカスタマイズ可能ですが、まずは皆で基本を学びたい!と考え、基礎研修をお願いしました。と言っても、基礎と言えないぐらいとても充実した内容で、アクセシビリティとじっくり向き合える素晴らしい時間でした。
各回はそれぞれ2時間ずつで、計8時間の研修です。
第1回:ウェブアクセシビリティの基礎〜計画
第2回:アクセシビリティの評価
第3回:実践(設計〜デザイン)
第4回:実践(実装〜運用)
第1回:ウェブアクセシビリティの基礎〜計画
第1回は、ウェブアクセシビリティとは?から、障害者に関する法律、WCAGやJIS規格の説明も交えて、アクセシビリティの考え方・取り組み方をご説明いただきました。
2024年6月に障害者差別解消法が改正されたことは記憶に新しいですが、日本では障害者基本法や障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法など、障害者に関する法律が他にもたくさんあります。
私が特に気になったのは、海外の障害者に関する法律です。
アメリカや欧州では、アクセシビリティに関する法整備が日本よりも進んでいます。
各法律で参照しているWCAGのバージョンも異なります。これはかなりおもしろいです。
クライアントが「訴えられました!直してください!」と駆け込んできて、全く別の法律を参考に改善したらズコーですからね。超重要です。
これは研修外の話なので余談ですが、Slack上でディーゼロのアクセシビリティスペシャリストたちが海外の法律に関して白熱した議論を展開していて、とても勉強になりました。初めて見る法律の名前もありました。
それぐらい日常的に、アクセシビリティに取り組む上で、法律や規格、ルールに対して真正面から向き合うお仕事なのです。めちゃくちゃかっこいいですね!
クライアントに対する「説明責任」の重みを感じます。アクセシビリティに取り組む上で、責任を持つことの重要性を改めて学べました。
第2回:アクセシビリティの評価
第2回は、主にWCAG 2.2のお話でした。最初にアクセシビリティツリーの説明があった上で、一つ一つの達成基準に向き合います。
ゆうてんさんが1.1.1 非テキストコンテンツで「画像のaltだけで2時間は喋れます」とおっしゃっていたのが印象的でした。
WCAGの達成基準に関しては何度か目を通していましたが、自分は「知ってたつもり」だったんだなと少し落ち込みました。でも、何度も質問できるのでぐんぐん成長できます!
ちなみに、研修内で疑問に感じたことは、研修の最後やアンケートなどで自由に質問できます。私はゆうてんさんの研修を聞きながら、疑問に感じたことを書き留め、研修の最後に質問していました。
これは、今まで自分がしてきたこととの答え合わせのようで、氷がすっと溶けていく感覚です。
ゆうてんさんは、どんな質問にも、確かな知識と情報を持って答えてくださいます。その真摯な姿を見ると、もっとアクセシビリティ頑張ろう!という気持ちになります。
第3回:実践(設計〜デザイン)
第3回からはいよいよ、実践のお話です。まずは情報設計〜ビジュアルデザイン、インタラクションデザイン。デザイナーの目が光ります!
アクセシビリティの取り組みにおいて、設計やデザインはかなり重要です。なぜなら、最初からアクセシブルでないと、後からどれだけ頑張って実装しても、ユーザーが使える状態にすることは困難であるからです。
研修の最後には、「インタラクションを減らす設計が重要」と説明されていました。ユーザーの手間が増えれば増えるほど、情報にアクセスすることは難しくなってしまいますよね。
私はこのお話を聞いてから、アコーディオンやモーダルなど、今まで当たり前に使っていたコンポーネントに疑問を抱き、「これ使う必要ある?」と自分に問いただすようになりました。アクセシビリティチェックでも、デザイナーに提案したり、話し合ったりしています。
大切なのは、自分だけの意見で一人歩きするのではなく、協力して対話することだと感じています。
少しずつできることを決めて、楽しみながらアクセシビリティに取り組んでいきたいですね。
第4回:実践(実装〜運用)
第4回は、ついに実装のお話です。ワクワクが止まりません!
この日のために、ノベルティではWAI-ARIA勉強会を開き、皆で予習をしました。
なぜなら、研修前にゆうてんさんが「大事なのがアクセシビリティツリーへ常に意識を向けられるか、なんですよね」とおっしゃっていたからです。
あまりの格言に心打たれる山田。心にゆうてんさんの言葉が刻まれます。
それならやったるわ!の気持ちで意気揚々と皆で予習、そしてこの日を迎えたわけです!
研修では、アクセシビリティツリーから、アクセシビリティプロパティの計算方法、WAI-ARIAに関して、じっくりと解説していただきました。
特に、WAI-ARIAを使うのであれば「アクセシビリティツリーは絶対確認」とのこと。今回の研修で確認方法まで学べたので、エンジニアでなくとも、皆でアクセシビリティツリーに意識を向けることができますね!
WCAGの達成基準に基づく実装方法もお話いただきました。個人的には、prefers-reduced-motion(ユーザーがアニメーションを控えたいという設定しているかどうかを判定するメディアクエリ)や、画面のカラーモードに興味があります!
研修で学んだことを取り入れて、社内のアクセシビリティ向上をどんどん進めていきたいですね!
アドバイザリー支援
ディーゼロさんには研修だけでなく、アドバイザリー支援もお願いしています。
これは、アクセシビリティの疑問を感じた時に、Slackやスプレッドシートで自由に質問し、スペシャリストが答えてくれるという、夢のような制度です。
「この認識で合ってる?」「どうやって実装すればいいんだろう?」などのささいな質問にも、ものすごい熱量で返してくださります。疑問を解決できるだけでなく、新たな知識に出会うことができて、とても楽しいです!
また、他の人の質問を見て、「こんな視点があったのか!」と気づくこともできます。その人が何に悩んでいるかもわかるので、対話もスムーズになりますね。
プロジェクトに取り組んでいる最中でも、Slackで気軽に質問できます。社内では、いただいた回答を実際に反映するなどして、アクセシビリティの向上に活かしています。
ディーゼロ × エスケイワード × ノベルティ合同勉強会
このように、ディーゼロさんの研修やアドバイザリー支援で、ノベルティは着々とレベルアップを進めているのでした!
そして、この話にはまだ続きがあります。
なんとこの度、ディーゼロさんの方で株式会社エスケイワードにお声がけいただき、合同勉強会を開催しました!

エスケイワードさんは名古屋の歴史ある制作会社で、CAO (Chief Accessibility Officer)の高須さんを筆頭に、ウェブアクセシビリティに取り組まれています。
第1回の研修では、Markuplintの開発環境の他、AIとマークアップに関する勉強会でした。
福岡・名古屋・千葉の制作会社で、強い繋がりができることを楽しみにしています!
あなたも一緒に
ここまで読んで、楽しそうだな、一緒にやりたいなと思ったそこのあなた。
ノベルティでは、共にアクセシビリティに取り組む仲間を募集しています。
ぜひ私たちと一緒に、誰一人取り残さない社会をつくっていきませんか?きっとおもしろい世界が待っています。
気になる方はお話だけでも、お待ちしております!